最近まで病院だったところが、介護施設などに変わっていることにお気づきでしょうか。高齢化が進み、民間病院の運営が難しくなってきているのです。
まず、高齢者が骨折などの怪我をした場合、入院しなくてはいけない状態でも受け入れてくれる病院が少なくなりました。
これは高齢者が骨折が原因で手術をすると、感染症などを起こしやすく、命に関わることも少なくないため出来るだけ手術ではなく安静な状態を保つことでしか対応が難しいからです。多くの高齢者は骨折しても、コルセットなどで固定して静かに過ごす、といった処置になることが多いようです。
完治は難しいのに入院するとベッドの空きが少なくなり、医療費にしても一般の人に比べると収益が薄いので出来れば高齢者の患者を入院させたくないと考える病院も少なくありません。特に救急救命が主な病院では、出来るだけベッドの空きを作っておかなくては対応が出来ないため、高齢者が救急車で運ばれても場合によっては帰宅するように促されることも多いのです。
搬送先の病院で入院が出来なかった高齢者は民間病院に移ることになるのですが、入院してもあまり収益に繋がらないのため、民間病院の経営は難しくなっていきます。
では今後、民間病院はどのように地域の医療と向かい合っていくべきでしょうか。
現在、救急救命を主体とする病院と、民間病院の連携が進んでいます。救急搬送された患者の中でも、軽度の症状である場合、検査入院はあっても本格的な入院は民間病院が引き継ぐ、というものです。
この連携により、地域住民との関わりをどのように行っていくかが、今後の課題になっていくのではないでしょうか。